内視鏡AI研究(人工知能)について
当院では、疾患の早期発見の精度を高めるAI(人工知能)の実現を目指すため、内視鏡AI研究に協力し、内視鏡医を支援しています。 胃がんや大腸がんは、内視鏡検査で早期発見が可能な疾患です。現在、日本において胃がん・大腸がんは、罹患率が非常に高く、多くの人が命を落としている疾患でもあります。また、近年では、ヘリコバクター・ピロリ菌が胃がんの発症に関与していることが分かり、ピロリ菌除菌治療の重要性が指摘されています。当院で導入している内視鏡AIは、今後の胃がん・大腸がんの早期発見や、ヘリコバクター・ピロリ菌感染の発見・診断において期待が大きいとされています。これまでの内視鏡件数の実績を誇り、消化器専門病院として当院でもAI研究に協力し、一日も早い内視鏡AI運用実現を目指し、支援しています。
診断精度の向上が可能
内視鏡診断支援システムAIは、がんの見逃しがないなどの診断精度を向上することが可能です。AIに非胃がん病変を学習させることで、陽性反応的中率が大幅に改善できます。通常の胃がん内視鏡健診では、内視鏡検査のあとは別医師によるダブルチェックが義務化されています。およそ1~2時間ほどかけて3,000~4,000枚の内視鏡画像を読影チェックは、現場の医師によって大きな負担です。このように、内視鏡診断システムAIを使用することによって、ダブルチェックによる負担を軽減できるようになります。さらに、今回開発された内視鏡診断支援システムは、動画でも胃がん検出が可能です。したがって、内視鏡検査の際には、このシステムを直接連動させることで、胃がんの見逃しをリアルタイムで回避できると期待されます。この内視鏡診断支援システムAIが普及するようになれば、熟練の内視鏡医でなくても、胃がんの早期発見・早期治療が可能になります。結果、胃がんの根治が実現し、医療費の削減へとつながることが期待されています。これらを目指し、システムのさらなる改良と実用化を目指しています。